商談時の打合せメモを読み取り、商談レコードの項目値を自動で入力する

Agentforce ユースケース:商談時の打合せメモを読み取り、商談レコードの項目値を自動で入力する
営業担当向け 打合せメモから商談レコードの項目の入力候補を生成するユースケースのBefore/After。Before:営業担当が打合せメモを読み返し、同じ内容を商談レコードの項目に手で入力し直すため、予算や決裁者の項目が空のまま残っている。After:AIエージェントが打合せメモから8つの項目の入力候補を根拠にあたる文章付きで生成し、営業担当が確認して承認した値だけが商談レコードに入る。

「打合せメモには書いたのに、同じことを商談レコードの項目にもう一度入力するのは手間だな」。商談後に議事録やメモを書いたとき、営業担当なら一度はこう考えたことはありませんか?

商談を通してヒアリングした顧客の課題や予算、導入したい時期は、打合せメモを読めばすぐに分かります。しかし、商談レコードの項目に入力しない限り、画面上ではヒアリング情報は分かりません。ほかにも、予算の金額や決裁者などの情報は打合せメモのどこかに書いたままのことが多く、営業担当がその打合せメモを開いて読み返さないと見つかりません。営業担当にはメモを読み返して項目に入力し直す時間が無く(かつ非常に面倒)、結局レコードの項目を空のままにして次の商談に進んでいる方も少なくないでしょう。

そこで本ユースケースでは、AgentforceのAIエージェントに、商談レコードに添付した打合せメモのファイルを読ませて、商談項目の入力候補を根拠付きで作成し、営業担当が最終承認した値だけをレコード項目に反映する方法をご紹介します。

※本記事の画面や数値は、SalesforceのSandboxに用意した架空の商談データのものです。

この記事の結論・要点
  • 利用シーン:営業担当が、商談後に打合せメモのファイルを商談レコードに添付したとき。
  • 想定課題:営業担当は、打合せメモを読み返して同じ内容を商談の項目に入力し直す必要がある。そのため、予算や決裁者などのレコード項目に値が入らないまま、ヒアリング情報が添付ファイルだけに記録されている。
  • エージェントがすること:エージェントは、商談レコードの画面で「打合せメモを取り込んで」と指示を受けると、添付ファイルを探して取り込み、紐付けるレコード項目の入力候補を生成する。営業担当は、商談レコードの画面の「取り込んだ打合せメモ」の一覧から確認画面を開く。
  • 設計方法:Agentforceのエージェント・アクション機能、プロンプトテンプレート、項目の検査と反映を行うApexで設計する。使用するデータは、商談レコードに添付した打合せメモのファイルと、取引先・取引先責任者・商談。
  • 期待効果:営業担当が、打合せメモを読み返して入力し直す代わりに、エージェントが生成する入力候補を承認するだけで、商談のレコード項目に値を入れられる。

ユースケース:AIエージェントが打合せメモから商談のレコード項目の入力候補を生成して、営業担当が承認する

UC02 打合せメモから商談レコードの項目の入力候補を生成するユースケースの全体図。営業担当が添付した打合せメモから、AIエージェントが8つの項目の入力候補を根拠にあたる文章付きで生成し、営業担当が確認画面で承認した値だけをApexが商談レコードに反映する。課題・解決方法・効果と、営業担当の業務フロー、Agentforceの裏側の処理を示す。

営業担当は、商談後に打合せメモのファイルを商談に添付し、商談レコードの画面からエージェントに「この商談の最新の打合せメモを取り込んで」と依頼します。エージェントは、使ったファイル名、紐付けた商談とその根拠、各項目の入力候補、打合せメモに書かれていなかった項目を答えます。エージェントは、回答の最後に確認画面を開く場所を伝えるので、営業担当は、商談レコードの画面にある「取り込んだ議事録」の一覧から確認画面を開き、根拠にあたる説明文章を見ながら入力候補を確認して承認します。

このとき、Salesforceの裏側では、エージェントが依頼を受けると、決まった手順で必ずApexのアクションを呼びます。Apexは、商談に添付されたファイルの中から、まだ取り込んでいない最新のファイルを選んで本文を取り出します。プロンプトテンプレートが本文から各項目と会議の表記(社名・参加者・会議日)を根拠の文章付きで抽出して、Apexが根拠の文章が打合せメモにあるか、金額や日付の形式が正しいかまで確認してくれます。

そして、Apexは社名と参加者の表記を取引先・取引先責任者と照合して該当する商談レコードを決定し、商談の項目とは別のオブジェクトに、各レコード項目の入力候補を保存します。生成した回答文章もApexが作成し、エージェントはその文章を書き直さずにそのまま表示します。

デモ動画:AIエージェントが打合せメモを取り込んで、商談レコードの項目の入力候補を返すまで

本ユースケース用に作ったエージェントの動きを、約101秒にまとめました。動画では次の3つの場面をご覧いただけます。

  1. 商談に添付した打合せメモの中身と、まだ値の入っていない商談のレコード項目を確認する
  2. エージェントに打合せメモのファイル取り込みを依頼して、入力候補・根拠にあたる文章・打合せメモに書かれていなかった項目の説明を受ける
  3. 確認画面でレコード項目の入力候補を1か所直して承認し、商談のレコード項目に値が入ったことを確かめる

想定シーン:営業担当が商談後に打合せメモを添付して、レコード項目の入力候補を作る

ユースケースの登場人物と利用シーン。営業担当が初回面談や提案の後に打合せメモのファイルを商談レコードに添付し、エージェントに取り込みを依頼する。営業責任者は、修正・却下された入力候補の一覧を月に1回見直す。

本ユースケースを使うのは、商談後に打合せメモのファイルを残している営業担当です。使う場面とそれぞれエージェントに依頼する内容は次のとおりです。

想定シーンエージェントへの依頼
初回面談の打合せメモを商談レコードに添付した直後この商談の最新の打合せメモを取り込んで
Web会議の文字起こしをファイルに保存して添付したとき今日の打合せの文字起こしから、商談のレコード項目の候補を作って
営業責任者との週次の商談確認の前先週取り込んだ議事録で、何が書かれていなかった?

営業担当が知りたいのは、打合せメモに書いた内容のうち、「どれが商談のどの項目に入るのか?そして何を聞き漏らしたのか?」です。エージェントは、各レコード項目の入力候補を根拠にあたる文章とセットで提示して、打合せメモに書かれていなかった項目を「未確認」として挙げます。営業担当は、未確認の項目を見て、次の面談で何を確かめるかを決めることができます。

課題:打合せメモの内容を商談の項目に移す作業が面倒

営業担当が抱える問題とその原因。営業担当は打合せメモを残しているのに、商談レコードの項目に値が入らず、営業責任者が商談の状況をつかめない。原因は、項目に値を入力しても営業担当の得にならないこと、自分に不都合な情報を入れたくないこと、項目の意味を都合よく解釈できることの3つ。

営業担当は議事録やメモを残しているのに、商談のレコード項目に値を入力しなければ、営業責任者は商談の状況をつかめません。その原因は、大きく3つあると当社は考えています。

原因①項目に値を入れても、営業担当の得にならないから

打合せメモを書いた時点で、営業担当は商談の内容を整理できているかもしれません。実際に商談レコードの項目を見るのは営業責任者で、営業担当自身は項目が空でも困りません。

レコード項目に値を入れるには、打合せメモを読み返して、当てはまる文を探して入力し直す手間がかかります。しかし、こうした作業は作業の重複感が否めないため、営業担当は面倒に感じて次の商談準備を優先してしまっているわけです。

原因②自分に不都合な情報を入れたくないから

「予算はまだ確保できていない」「決裁者にはまだ会えていない」とレコード項目に入力すると、営業責任者からは商談の確度を問われます。営業担当は、打合せメモには書いても、項目には入れないか、あいまいな値にしておきたくなります。項目が空なのは入れ忘れではなく、入れないことを選んだ結果の場合もあります。

原因③項目の意味を自分に都合よく解釈できるから

予算の金額や決裁者は、雑談や製品の説明の間に、1文だけ書かれていることがよくあります。営業担当が議事録を読み返しても、その1文を見落とすと、項目は空のままになります。

つまり、商談の項目に値が入らないのは、営業担当が議事録を残していないからではなく、議事録に書いた内容を商談の項目に移す作業が二重になっているからということです。

実装内容:AIエージェントが打合せメモを取り込み、根拠つきでレコード項目の入力候補を作成する

課題の解決方法。打合せメモの文章から、予算の金額「800万円」、導入予定時期「来期4月」などの入力候補を根拠にあたる文章付きで生成する(架空データでの出力例)。値あり・未確認・要確認の判定の基準を示す。

AIエージェントは、人が打合せメモを読み返して項目ごとに当てはまる文を探す作業を代わりに行います。エージェントが入力候補と根拠の文章をセットで提示するので、営業担当は打合せメモを開き直さずに、タスク候補が正しいかを確認してから承認できるようになります。

実装①議事録を取り込み、商談に紐付ける

エージェントが営業担当から取り込みを依頼されると、Apexは、画面に表示されている商談レコードに添付されたファイルの中から、まだ取り込んでいない最新のファイルを選んで取り込みます。そして、打合せメモに書かれた社名・参加者・会議日の表記を取引先・取引先責任者と照合して、どの商談の打合せメモかを決めます。社名から該当する商談を特定できない場合や、会議日が読めない場合は、エージェントが候補の商談レコードとその根拠を提示して、営業担当が確認画面の「紐付けと会議日」で商談を選び、会議日を入れることで確定できます。

そうすることで、営業担当はどの商談レコードの打合せメモかを自分で入力し直さずに、エージェントに取り込みさせられるようになります。

Agentforceのエージェントの回答画面。取り込んだ打合せメモのファイル名、紐付けた商談とその根拠、会議日、入力候補、確認画面を開く場所の案内を示している。

実装②各レコード項目の入力候補を、根拠つきで作る

プロンプトテンプレートは、打合せメモから、顧客の課題・予算の金額・予算の確保状況・導入予定時期・導入予定時期の確度・競合・決裁者・次のステップの計8つの項目の値を抽出して、それぞれに根拠にあたる文章も付けます。打合せメモに書かれていない項目は「未確認」にし、推測で値を入れません。入力候補には、「顧客の発言か」「営業担当の記載か」「AIの推定か」の区分も付けます。そしてApexは、根拠にあたる文章が打合せメモに1文字も違わずに書かれているかを確かめます。その上で、打合せメモに無いタスク候補は「未確認」に戻し、金額の数値化と日付の変換はAIではなくApexが行うようにします。

そうすることで、営業担当は、レコード項目値の候補を根拠付きで確認するだけで、打ち合わせメモのファイルを開き直すことがなくなります。

Agentforceのエージェントの回答画面。8つの項目の入力候補と根拠にあたる文章、打合せメモに書かれていなかった項目を示している。

実装③営業担当が承認した値だけを商談に反映する

営業担当は、商談レコードの画面にある「取り込んだ議事録」の一覧から確認画面を開いた後、エージェントが生成した入力候補を確認して、また誤った値があった場合は直して、不要な候補を却下してから最終承認します。もしレコード項目の値を直した場合は、確認画面にて修正の理由に関する入力を求めてきます。Apexは、承認された入力候補だけを商談の項目に反映し、承認されていない値や「未確認」の項目は商談に入れません。エージェントには商談を更新するアクションを持たせず、反映は確認画面の承認ボタンからだけ行います。

そうすることで、営業担当は、AIが誤って解釈した情報がそのまま商談レコードの項目に入力される心配をせずに、自分が承認した値だけをレコード項目に記録できるようになります。

商談レコード画面。確認画面で承認した値だけが商談レコードの項目に入力され、未確認の予算の金額は空のままであることを示している。

次の表は、入力候補の判定の基準と、商談への扱いを示しています。

判定基準例商談への扱い
値あり打合せメモに根拠にあたる文章がある(例:「予算は800万円で確保済み」)営業担当が承認すれば反映する
未確認打合せメモに書かれていない反映しない(商談の既存の値も消さない)
要確認書かれているが、金額や日付に変換できない(例:「来年度中」「数百万円」)営業担当がレコード項目の値を直して承認すれば反映する

次の表は、入力候補に付ける区分を示しています。

区分意味
顧客の発言顧客が話した内容として書かれている
営業担当の記載話した人が書かれていない営業担当のメモ
AIの推定打合せメモの記載を根拠に、AIが選んだ値(例:導入予定時期の確度)
担当者の入力打合せメモに無い値を、営業担当が確認画面で入れた

商談レコードに複数のファイルが添付されている場合、Apexは、エージェントがまだ取り込んでいない最新ファイルを1件だけ取り込み、エージェントは取り込んだファイル名を回答文の中に併せて記載します。添付されたファイルがすべて取り込み済みの場合、Apexは新しく取り込まず、エージェントは最新の取り込んだ打合せメモの内容をもとに回答します。また、顧客の課題・競合・次のステップのように値が複数ある項目は、入力候補を1つずつ分けて作ります。

活用データ:商談に添付した議事録と、取引先・取引先責任者・商談

ユースケース実装に必要なデータ。エージェントが読み込むのは、商談レコードに添付した打合せメモのファイルと、取引先・取引先責任者・商談だけ。既存の活動履歴・メール・商談のメモ・他の商談のファイルは読み込まない。

今回のユースケースでエージェントが取り込むのは、商談レコードに添付した議事録・メモのファイルと、紐付けに使う取引先・取引先責任者・商談だけです。

データごとの活用用途は以下の表にて示した通りです。

データ用途
商談オブジェクトのレコードに添付した打合せメモのファイル(.txt・.vtt・.docx)本文から各項目の入力候補と根拠にあたる文章を抽出する
取引先・取引先責任者オブジェクトのレコード社名と参加者の表記を照合して、紐付ける商談レコードを決める。また、決裁者の名前を照合する。
商談オブジェクトのレコード紐付けの候補と承認した値の反映先
取り込んだ打合せメモ・商談項目の入力候補(新しく作るオブジェクト)原文・入力候補・確認の状態・反映の結果を、商談レコードの項目とは分けて保存する。取り込んだ打合せメモは商談レコードの画面に一覧で提示して、そこから確認画面を開く

ここでは、1つの打合せメモのファイルに書かれたことだけを入力候補にするため、既存の活動履歴・メール・商談のメモや、他の商談のファイルは読みません。他ファイルの文章も取り込んでしまうと、営業担当はどの文章がレコード項目の入力候補の根拠にあたるかを確かめられなくなってしまいます。また、本ユースケースは打合せメモを1件ずつ読むだけなので、Data 360は使っていません。

人とAIの役割:読む・確かめる作業はAIエージェントとプログラム、承認のみ営業担当が行う

本ユースケースにおける人とAIの役割。決める・読む・計算する・残す・見直すの5つの作業について、営業担当・営業責任者と、AIエージェント・プロンプトテンプレート・Apexの分担を示す。

本ユースケースでは、人とAIの役割を次のように分けます。

作業人(営業担当・営業責任者)AIエージェント・プロンプトテンプレート・Apex
決める営業担当が、レコード項目の入力候補を修正して承認する。商談が1つに決まらない場合は確認画面で商談レコードを選び、会議日が読めない場合は会議日を入れる決めない。レコード項目の入力候補と根拠にあたる文章、紐付けの候補を提示する
読む営業担当が、根拠にあたる文章と打合せメモの原文を見比べるテンプレートが打合せメモを読んで入力候補を作る。エージェントが結果を説明する
計算する計算しない金額の数値化と日付の変換は、AIではなくApexが行う
記録する営業担当が、レコード項目の値を修正した項目に、修正の理由を書くApexが、原文・入力候補・確認の状態・反映の結果を、商談レコードの項目とは分けて保存する
見直す営業責任者が、月に1回、修正・却下されたレコード項目の入力候補の一覧を見る一覧(リストビュー)を出すだけ

つまり、エージェントが担うのは議事録を読んで根拠付きでレコード項目の入力候補を示すまでで、商談レコードの項目にどの値を入れるかを決めるのは営業担当ということです。

業務変化:打合せメモを読み返して商談レコードの項目に入力していた作業が、入力候補の確認と承認だけで済むようになる

ここまでご紹介してきたユースケースを実装することで、営業担当の商談の後の作業はどう変わるのでしょうか。

業務フローのBefore/After

エージェント実装後の業務の流れ。営業担当が打合せメモのファイルを商談レコードに添付し、エージェントに取り込みを依頼し、エージェントが入力候補と根拠を回答し、営業担当が関連リスト「取り込んだ打合せメモ」から確認画面を開いて修正して承認し、承認した値が商談レコードに反映されるまでの6つの手順を示す。

次の表は、業務ごとのBeforeとAfterを示しています。

業務BeforeAfter
打合せメモを残すファイルを保存して終わるファイルを商談レコードに添付し、エージェントに取り込みを依頼する
レコード項目に入力する打合せメモを読み返して手で入力する根拠にあたる文章付きで入力候補を確かめ、必要に応じて修正してから承認する
入力形式をそろえる担当者ごとにレコード項目の入力方法が違う各項目に、同じ定義と形式で値が入力される
未入力に気づく気づかないまま次の面談に進む「未確認」の項目としてエージェントから提示され、次の面談で確認する
営業責任者が見直すレコード項目が空のため、商談の状況が分からない修正・却下された入力候補の一覧で、AIが提示した入力候補の誤り方を見直す

導入前と導入後で大きく変わることとしては、営業担当の作業が「打合せメモを読み返しながら入力する」から「入力候補と根拠にあたる文章を見比べて承認するだけ」に変わることでしょう。

営業担当が得られること

議事録の取り込みと入力候補の確認画面によって、営業担当は次の4つを得られます。

  1. 打合せメモを添付してエージェントに依頼するだけで、レコード項目の入力候補が揃う
  2. 入力候補に根拠にあたる文章がセットで提示されるで、ファイルを開き直さずに確認できる
  3. 打合せメモに書かれていなかった項目が発覚し、次の面談で確認するようになる
  4. 承認した項目値だけが商談レコードに入力されるので、AIが誤って解釈した情報がそのまま記録されることがない

特に3つ目は、営業担当にとって入力の手間を減らす以上の効果があります。営業担当が聞き漏らした予算や決裁者が「未確認」として提示されるので、次の面談の前に何を確かめるべきかが分かるためです。

エージェント導入前に確かめたいこと

ただし、どの会社でもすぐに同じ結果が得られるわけではありません。本ユースケースは、打合せメモをファイルとして残す運用と、AIエージェントが入力候補を提示して、営業担当がその入力候補を確認して承認する運用を前提にしています。自社で導入する際は、次の3点を確かめてください。

  • 人が確認・承認する運用とレコード項目の設定が完了しているか?
    • エージェントが読めるのは、商談レコードに添付されたファイルだけです。Web会議のツールとはつながないので、営業担当は文字起こしをファイルに保存してから商談レコードに添付する必要があります(読み込み対象の形式は.txt・.vtt・.docxで、PDF は読めません。会話の欄に打合せメモの文章を貼っても、エージェントはその文章から入力候補を生成しません。
    • 予算の確保状況(確保済み・申請中・未確定)や導入予定時期の確度(高・中・低)の項目が商談レコードに無い場合は、先にレコード項目と選択リストを作る必要があります。「次のステップ」の項目は255文字までなので、それより長い次のステップは反映されません。
  • 社名・人名・URLが伏せられた状態でAIが打合せメモを読みこむことを前提にできるか?
    • AgentforceのEinstein Trust Layerは、AIに渡す文の中の人名・ID・URLを、別の文字に置き換えてからAIに渡します。この仕組みをデータマスキングといいます。そのため、AI は商談レコードのIDや確認画面のURLを、置き換わった文字のまま返します。Apexやエージェントは、置き換わったIDやURLを正しく使えません。そこで、本ユースケースでは、Apex・エージェント・営業担当の作業を次のように分けています。
      • Apexが、打合せメモの本文から、紐付ける商談レコードと会議日を読み取ります。Apexが商談レコードや会議日を特定できない場合は、営業担当が確認画面で商談レコードと会議日を選択します。
      • エージェントは、確認画面へのリンクを回答に書きません。営業担当は、商談レコード画面の関連リスト「取り込んだ議事録」から確認画面を開きます。
    • データマスキングの設定は、組織のすべてのAI機能に適用されます。そのため、クロスコムは本ユースケースのためにデータマスキングの設定を変えていません。
  • AIの入力候補を、営業担当が確認画面で確認して修正する時間を取れるか?
    • Apexは、根拠にあたる文章が打合せメモのファイル内に記載されているかを確認しますが、その文章を正しいレコード項目に入力したかまでは確認していません。AIは、打合せメモにある単語を別のレコード項目に入れることがあります。
    • たとえば、次の打合せの予定の文章を導入予定時期の候補にすることがあります。また、AIが根拠の文を1文字でも違えて写した場合、その候補は「未確認」になるので、議事録に書いてある項目が「未確認」と出ることもあります。また、顧客の発言かAIの推定かの区分を、AIが取り違えることもあります。そのため、営業担当が承認の前に根拠にあたる文章の原文を読み、誤った入力候補を修正するか却下する運用が前提です。

自社の商談データで試したい方へ

いかがだったでしょうか。クロスコムでは、Agentforceを使って、営業担当が残している打合せメモや議事録を商談の項目につなげる仕組みづくりをご支援しています。

たとえば今回の本ユースケースのように、以下の内容からご支援できます。

  • 議事録・打合せメモの記録方法と、商談レコード項目の入力状況の診断
  • 入力候補にする項目と判定基準の設計、エージェント・プロンプトテンプレート・Apexの実装
  • 確認画面での承認と、修正・却下された入力候補の見直しの定着フォロー

こうした支援だけではなく、「自社の議事録の書き方で入力候補を作れるか試したい」というご相談も承っていますので、お気軽にお問い合わせください。

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