Agentforceで商談の打合せメモからタスクを抽出し、ToDoに登録する

Agentforceで商談の打合せメモからタスクを抽出し、ToDoに登録する
営業担当向け 商談データから次回アクションを抽出してタスクを作成するユースケースのBefore/After。Before:商談相手に対応すると伝えたタスクが打合せメモやメールの文章の中にだけ書かれ、担当者と期日が決まらないまま対応が遅れている。After:AIエージェントが商談の直後に打合せメモからタスクを抽出し、担当者・期日・状態をそろえたToDoの候補を示し、営業担当が承認した候補だけがToDoに登録される。

「打合せメモには書いたのに、あのタスクはいつまでに対応すると伝えたのだろう?」。商談後に次のToDoを確認するとき、営業担当なら一度はこう考えたことはありませんか?

打合せメモを確認すれば、顧客と何を話したかはすぐに分かります。しかし、「誰が・何を・いつまでに行う」と伝えたかは、営業担当がメモの文章を読み返し、「金曜日までに」「来週中に」といった言い方を日付に直さないと分かりません。営業担当には商談のたびにメモを読み返してToDoを作成する時間が無いので、結果としてToDoに登録しないまま、担当者の記憶に頼って対応している企業も少なくないでしょう。

そこで本ユースケースでは、AgentforceのAIエージェントに商談の打合せメモやメールの本文からタスクを抽出させ、担当者と期日をそろえたToDoの候補を示させて、営業担当が承認した候補だけをToDoに登録する方法をご紹介します。

※本記事の画面や数値は、SalesforceのSandboxに用意した架空の商談データのものです。

この記事の結論・要点
  • 利用シーン:営業担当が、商談の後に打合せメモを残した直後や、次の商談までにやることを確認するとき。
  • 想定課題:商談で相手に対応すると伝えたことが、打合せメモやメールの文章の中にしか書かれていない。そのため、担当者と期日がSalesforceに残らず、ToDoも作成されないまま対応が遅れている。
  • エージェントがすること:商談に紐づく打合せメモ(ToDo・行動の説明)・メールの本文からタスクを抽出し、件名・担当者・期日・状態をそろえたToDoの候補をタスクごとに整理する。担当者や期限が文章から判断できないタスクは、推測で埋めずに「未確定」「未設定」と示す。
  • 設計方法:Agentforceのエージェント・サブエージェント・アクション機能と、期日の計算・担当者の照合・重複の判定を行うApex、営業担当が候補を承認して登録する確認画面(画面フロー)で設計する。データは商談に紐づくToDo・行動・メールの本文と取り込んだ打合せメモ、商談・取引先責任者・ユーザーの情報と、新しく作成するToDoの候補だけを使う。
  • 期待効果:営業担当が、商談直後に取り決めたタスクを、手作業なしで担当者と期日つきのToDoとして登録できる。また、担当者や期限が決まっていないタスクに、営業担当がその場で気づけるようになる。

ユースケース:AIエージェントが打合せメモからタスクを抽出して、ToDoの候補を示す

UC04 のユースケースの全体図。タスクが打合せメモの文章の中にだけ書かれ、担当者と期日が決まらないという課題に対し、エージェントがタスクを抽出し、Apexが担当者・期日・状態を決めたToDoの候補を示す。営業担当は関連リスト「ToDoの候補」から確認画面を開き、承認した候補だけをToDoにする。課題・解決方法・効果と、営業担当の業務フロー、Agentforceの裏側の処理を示す。

営業担当は、商談の後に打合せメモを残した直後や次の商談の準備をするときに、商談レコード画面からエージェントにタスクの抽出を依頼します。営業担当は、エージェントが生成した回答でタスクごとの件名・担当者・期日・状態を確認し、商談レコード画面の関連リスト「ToDoの候補」から確認画面を開いて、登録するタスクを選びます。

Salesforce の裏側では、エージェントは決まった手順で2つのアクションを必ず呼びます。

  1. 1つ目のアクションのApexは、開いている商談に紐づく打合せメモ・メールの一覧と、選ばれた1件の本文を、文に番号を付けて返します。エージェントは本文からタスクを抽出し、2つ目のアクションに渡します。
  2. 2つ目のアクションのApexは、担当者の照合、期日の計算、重複の判定を行い、候補を保存して、タスクごとの行を含む回答の文を作成します。エージェントはその文を表示します。

エージェントは聞き返さないので、会話は1回の依頼と回答で終わります。ApexがToDoを作成するのは、営業担当が確認画面で承認したときだけです。

デモ動画:AIエージェントが、打合せメモからタスクを抽出してToDoの候補を返すまで

本ユースケース用に作ったエージェントの動きを、約110秒にまとめました。動画では、次の3つの場面をご覧いただけます。

  1. 商談の打合せメモにタスクが書かれていて、そのタスクがまだToDoになっていないことを確認する
  2. 営業担当がエージェントにタスクの抽出を依頼して、エージェントがタスクごとの件名・担当者・期日・状態を返す
  3. 営業担当が、商談レコード画面の関連リスト「ToDoの候補」から確認画面を開き、担当者が決まっていない候補に担当者を選んで、承認した候補だけをToDoに登録する

想定シーン:営業担当が商談の直後と次の商談の前に、タスクをToDoにする

ユースケースの登場人物と利用シーン。営業担当がエージェントにタスクの抽出を依頼し、関連リストから開いた確認画面で登録する候補を選ぶ。営業責任者はToDoでタスクの対応状況を確認する。利用シーンは、打合せ内容をメモした直後、次回の商談の準備、顧客からのメールにタスクが書かれていたときの3つ。

本ユースケースを使うのは、商談を担当する営業担当です。使う場面は次のとおりです。

想定シーンエージェントへの依頼
商談の打合せ内容をメモした直後この商談の直近の打合せメモから、自分のタスクをToDoの候補にしてください
次回の商談を準備するとき次の商談までにやることを教えて
顧客からのメールにタスクが書かれていたときこのメールから、誰が何をいつまでにやるかを出して

このシーンで営業担当が知りたいのは、打合せで話した内容の全体ではなく、商談相手との間で「誰が・何を・いつまでに行う」ことになったかです。エージェントは、打合せメモやメールの本文からそのタスクだけを抽出し、Apexが担当者と期日を確認して「ToDoの候補」として保存します。

課題:タスクの詳細が打合せメモだけに記載されており、実行する担当者と期日が分からない

営業担当が抱える問題とその原因。商談相手に対応すると伝えたタスクがToDoにならず、期限が過ぎてから気づく。原因は、ToDoとして登録するのが面倒、担当者と期限があいまいなまま残る、商談相手のタスクは自分のタスクではないと思っている、の3つ。

営業担当が困っているのは、商談相手に対応すると伝えたことを打合せメモに書いたのに、期限が過ぎてから対応していないことに気づくことです。その原因は、大きく3つあると当社は考えています。

原因①ToDoとして登録するのが面倒だから

商談で引き受けた資料送付や見積りの提出は、ToDoや行動の説明、メールの本文など、テキスト情報としてSalesforce内に残っています。ToDoにするには、営業担当が文章を読み返して件名・期日・担当者を1件ずつ入力する必要があるため、商談が連続する日ほど登録するのが面倒に感じてしまいます。

原因②担当者と期限があいまいなまま残るから

商談の場では「弊社から料金表をお送りします」「近いうちにご連絡します」のように、担当者や期限をぼかした言い方を使ってしまうケースも少なくありません。打合せメモを読み返しても誰がいつまでに行うのかが決まらないので、ToDoに入力できず、営業担当も技術担当も「誰かがやるだろう」と思ったままうやむやになってしまっているわけです。

原因③商談相手のタスクは、自分のタスクではないと思っているから

「社内の稟議資料を月末までに提出します」のような商談相手側のタスクは、営業担当のToDoになりません。商談相手が持っているタスクが解消されないとその後の進行も止まってしまいますが、誰も期限を追っていないため、資料が届いていないことに次の商談まで気づけません。

つまり、商談のタスクがToDoにならないのは、営業担当がタスクを軽く見ているからではなく、文章からタスクを拾い出して担当者と期限を決める手間がかかるうえに、自分が担当ではないタスクは登録しなくてよいと考えてしまうからということです。

実装内容:AIエージェントがタスクを抽出し、Apexが担当者と期日をそろえたToDoの候補にする

課題の解決方法。エージェントが打合せメモからタスクを抽出し、Apexが担当者の照合と期日の計算を行って、タスクごとに件名・担当者・期日・状態を示す(架空データでの出力例)。登録可・担当者未確定・期限未設定・登録済み(重複)の判定の基準を示す。

そこで、AIエージェントに、営業担当が時間をかけられなかった「打合せメモを読み返して、タスクを見つけ、日付と担当者を決める」作業を代わりに実行してもらいます。エージェントとApexは次の3つの機能で、営業担当が商談直後にタスクをToDoにできるようにします。

実装①打合せメモ・メールの本文からタスクを抽出する

エージェントは、まず元の文章を取得するアクションを呼びます。このアクションのApexは、開いている商談に紐づくToDo・行動の説明、メールの本文、取り込んだ打合せメモの一覧を、種類と日付付きで返します。

営業担当からの依頼に種類や日付の指定(「メールから」「10月6日の打合せメモから」など)があれば、エージェントがそれに合う1件を選び、指定が無ければApexが日付が最も新しい1件を選びます。Apexが選ばれた1件の本文を句点と改行で文に区切り、番号を付けて返すと、エージェントはその文を読み、タスクごとに文の番号・タスクの種類(資料送付・見積提出・技術確認・次回連絡など)・自社と顧客のどちらのタスクか・担当者の言い方・期限の言い方・対象の語句を抽出していきます。

エージェントは、担当者の言い方と期限の言い方を文章の語のまま渡し、日付や人の名前に直すことはしません。そうすることで、営業担当は、どの文章のどの文からタスクを抽出したかを、候補ごとに確認できるようになります。

実装②担当者・期日・状態を決定し、ToDoの候補の一覧を作成する

Agentforceのエージェントの回答画面。打合せメモから見つけたタスク5件について、タスクごとの件名・担当者・期日・状態と、登録できる候補・担当者が決まっていない候補・期限が決まっていない候補の件数、関連リスト「ToDoの候補」の案内を示している。

ToDoの候補を確認するアクションでは、Apexがエージェントから渡されたタスクを1件ずつ確認します。Apexは、文の番号から根拠にあたる文章を切り出し、番号が本文に無いタスクは候補にしません。

つぎにApexは、担当者の言い方を有効なユーザーの名前と照らし合わせ、1人だけに一致した場合にのみ、そのユーザーを担当者にします。「私」「自分」のような言い方でも個人を特定できる場合は、打合せメモを書いたユーザーを担当者に設定し、「技術担当」「弊社」のように一般名詞の言葉だけでは判断できない場合は、担当者を勝手に決めません。

また、Apexは期日を打合せメモの日付から、決まった規則表で計算します。規則表に無い言い方(「近いうちに」「次回の打合せまで」など)の場合は、期日を勝手に決めることはしません。Apexは、タスクごとに「1. 見積提出:見積/担当者:(ユーザー名)/期日:(日付)/状態:登録可」の形式の行と件数の行で回答の文を作成し、エージェントはその文を表示します。そうすることで、営業担当は、会話の画面だけで、「誰が・何を・いつまでに行うか」と、まだ決まっていないタスクまで確認できるようになります。

期限の言い方と期日の決め方は、次の表のとおりです(打合せの日が火曜日の例)。

期限の言い方期日の決め方例(打合せの日が10月6日(火))
◯曜日までに打合せの日より後で最初の◯曜日。打合せの日と同じ曜日のときは決めない金曜日までに → 10月9日(金)
来週中に打合せの日の翌週の金曜日来週中に → 10月16日(金)
M月D日までに打合せの日の年のその日。打合せの日より前のときは決めない10月20日までに → 10月20日(火)
月末までに打合せの日の月の末日月末までに → 10月31日(土)
N営業日以内土曜日・日曜日と、組織に登録された休日を除いて数える3営業日以内 → 10月9日(金)
上記以外(近いうちに、早めに など)決めない近いうちに → 期限未設定

実装③営業担当が関連リストから確認画面を開き、承認したタスクだけをToDoに登録する

商談レコード画面の関連リスト「ToDoの候補」。候補ごとの件名、担当者、期日を示している。

ApexはToDoの候補を保存し、候補は商談レコード画面の関連リスト「ToDoの候補」に表示されます。エージェントの回答には確認画面のURLを書きません。営業担当は、関連リストの各候補の「確認画面を開く」から確認画面を開きます。確認画面では、候補ごとに件名・担当者・期日・状態と根拠にあたる文章が一覧に表示され、登録のチェックの初期値はすべて空です。

担当者が決まっていないToDoの候補は、営業担当が担当者を選ぶまでチェックできません。また、期限が決まっていないToDoの候補は、営業担当が期日を入力するか「期日なしで登録」を選んだときだけチェックできます。営業担当が「選んだ◯件を登録」を押すと、Apexはチェックした候補だけを正式なタスクとしてToDoにします。Apexは、ToDoに「どの元の文章の、何番目の文の、どの種類のタスクか」を保存し、同じタスクのToDoがすでにあれば新しく作成しません。そうすることで、営業担当は、自分が承認したタスクだけを、二重に作成することなくToDoに登録できるようになります。

ToDoの候補の確認画面。関連リスト「ToDoの候補」から開き、担当者が決まっていない候補で担当者を選ぶと状態が「登録可」に変わり、期限が決まっていない候補はチェックしないまま、選んだ候補を登録するボタンを示している。

ToDoの候補の判定基準は、次の表のとおりです。

状態基準例扱い
登録可担当者が1人に決まり、期日を計算できた営業担当がチェックを付ければ登録できる
担当者未確定「技術担当」「弊社」のように名前が無い。同じ名前のユーザーが2人以上いる。名前が組織のユーザーにも取引先責任者にも一致しない担当者を推測で埋めない。営業担当が確認画面で担当者を選ぶまで登録できない
期限未設定「近いうちに」のように規則表に無い言い方。期限の言い方が無い期日を推測で埋めない。営業担当が期日を入力するか「期日なしで登録」を選んだときだけ登録できる
担当者未確定かつ期限未設定担当者も期日も文章から決められない営業担当が担当者を選び、期日を入力するか「期日なしで登録」を選んだときだけ登録できる
登録済み(重複)同じ元の文章の同じ文の同じ種類のタスクが、すでにToDoになっている新しいToDoを作成しない

商談相手側のタスク(例えば、商談相手が社内の稟議資料を月末までに提出する)は、Apexが件名の頭に「【顧客対応待ち】」を付け、商談の担当者のToDoにします。また、Apexは、ToDoの名前の欄に、照合できた取引先責任者を入力します。エージェントが一度に読むのは、元の文章1件だけです。商談に打合せメモやメールが多くても、エージェントは一覧から1件を選んで読みます。打合せメモの内容が長くても、Apexが文に番号を付けてエージェントに渡すので、エージェントは番号でタスクの場所を示します。同じ打合せメモから何度依頼しても、Apexが重複を判定するので、同じタスクのToDoは1件だけです。

活用データ:商談に紐づく打合せメモ・メールの本文、ユーザーの名前

ユースケース実装に必要なデータ。エージェントが読むのは、商談に紐づくToDo・行動の説明、メールの本文、取り込んだ打合せメモと、商談・取引先責任者・ユーザーの名前。本ユースケースが登録したToDoと、メールを商談に紐づけたときに自動で作成されるToDoは読まない。

エージェントが読むのは、商談に紐づく打合せメモ(ToDo・行動の説明)とメールの本文、取り込んだ打合せメモと、担当者の照合に使う名前だけです。

データ項目使い方
ToDo・行動説明(打合せメモ)・期日・開始日時・所有者本文からタスクを抽出する。日付を期日の計算の起点にする。所有者を「私」の担当者にする
メール本文・送受信日時・送信者本文からタスクを抽出する。送受信日時を期日の計算の起点にする
取り込んだ打合せメモ(UC02 で取り込んだもの)打合せメモの本文・会議日・取り込んだユーザー本文からタスクを抽出する。会議日を期日の計算の起点にする
商談・取引先責任者・ユーザー商談の担当者、商談の取引先責任者の役割、有効なユーザーの名前担当者の言い方と照らし合わせて担当者を決める
休日組織に登録された休日営業日を数えるときに除く
ToDoの候補(新規)件名・担当者・期日・状態・根拠にあたる文章・タスクの種類候補を保存し、関連リストと確認画面に出す
ToDo(項目を追加)タスクを見分ける値(元の文章・文の番号・タスクの種類)、もとの候補同じタスクのToDoを二重に作成しない

ここでは、本ユースケースが登録したToDoと、メールを商談に紐づけたときに自動で作成されるToDoは読みません。なぜなら、これらのToDoの本文は打合せメモやメールの写しであり、読むと同じタスクを二重に抽出してしまうからです。なお、本ユースケースでは、ToDoの候補のオブジェクトと、ToDoの2つの項目(タスクを見分ける値、もとの候補)を新しく作成しました。

人とAIの役割:タスクの抽出と期日の計算はAIエージェントとプログラム、ToDoに登録するタスクと担当者を決めるのは営業担当

本ユースケースにおける人とAIの役割。決める・読む・計算する・残す・見直すの5つの作業について、営業担当・営業責任者とAIエージェント・Apexの分担を示す。

本ユースケースでは、人とAIの役割を次のように分けます。

作業人(営業担当・営業責任者)AIエージェント・Apex
決める営業担当が、登録する候補と、決まっていない担当者・期日を決める決めない。担当者と期日を推測で埋めない
読む営業担当が、タスクごとの行と根拠にあたる文章を確認するエージェントが、打合せメモ・メールの本文からタスクを抽出する
計算する計算しない期日と件数はApexが計算する。AIは日付を計算しない
残す営業担当が、確認画面で承認した候補をToDoに登録するApexがToDoの候補を保存する。承認されていない候補をToDoにしない
見直す営業責任者が、ToDoでタスクの対応状況を確認する。営業担当が、抜けていた、または誤ったToDoの候補を月に1回見直すエージェントが同じ依頼でタスクを抽出し直す。Apexは登録済みのタスクを新しく作成しない

つまり、エージェントとApexが担うのは、タスクを抽出して担当者と期日をそろえたToDoの候補を示すまでで、どのタスクを誰のToDoにするかを決めるのは営業担当ということです。

業務変化:打合せメモに書いただけになっていたタスクが、商談の直後に担当者と期日つきのToDoとして登録できるようになる

ここまでの機能を使うと、営業担当の商談の後の対応は、どう変わるのでしょうか。

業務フローのBefore/After

エージェント実装後の業務の流れ。営業担当が打合せメモを書く、エージェントにタスクの抽出を依頼する、エージェントがタスクごとの候補を示す、営業担当が関連リストから確認画面を開いて担当者と期日を決める、承認した候補がToDoになる、営業責任者がToDoで対応状況を確認する、までの6つの手順を示す。

業務ごとの変化は、次の表のとおりです。

業務BeforeAfter
ToDoの候補を見つける営業担当が打合せメモを読み返して探すエージェントが打合せメモからタスクを抽出し、1行1タスクで示す
タスクの期日を決める営業担当が「金曜日までに」をカレンダーで数えて決めるApexが打合せの日から規則表で計算する。決められないものは「期限未設定」と示す
タスクの担当者を決める「技術担当」のまま、誰もToDoを持たない担当者が決まっていないToDoの候補は、営業担当が確認画面で担当者を選ぶまで登録できない
ToDoを作成する営業担当が1件ずつ手で入力する。同じToDoを二重に作成することがある営業担当が確認画面で承認したToDoの候補だけを登録する。同じタスクのToDoは作成しない
タスクの対応状況を確認する営業責任者が営業担当に口頭で聞く営業責任者が商談のToDoと期日で確認する

エージェントの導入前は、タスクがToDoとして登録されるかどうかは営業担当が打合せメモを読み返す時間に左右され、担当者と期日が決まらないまま、Salesforce上にタスクが登録されない状況が続いていました。しかしエージェントを導入した後は、営業担当が商談直後にエージェントに依頼して、担当者と期日が決まっていないタスクにその場で気づくことができ、営業担当が承認したタスクだけを正式にToDoとして登録できるようになりました。

営業担当が得られること

担当者と期日をそろえたToDoの候補を受け取ることによって、営業担当は次の4つを得られます。

  • 商談直後に、手間をかけずにタスクを担当者と期日つきでToDoに登録できる
  • 「技術担当が」「近いうちに」のように、担当者や期日が決まっていないタスクにその場で気づける
  • 「金曜日までに」「来週中に」を日付に直す手間がなくなり、日付の数え間違いがなくなる
  • 同じ打合せメモから何度依頼しても、同じタスクのToDoを二重に作成しない

特に2つ目は、営業責任者にとっても意味があります。担当者や期日が決まっていないタスクは、これまでSalesforceに登録されず、営業責任者からは見えなかったためです。

エージェント導入前に確かめたいこと

ただし、どの会社でもすぐに同じ結果が得られるわけではありません。本ユースケースのエージェントを構築する中で、Salesforceの設定と仕組みについて、事前に知っておくべき点が分かりました。自社で導入する前に、次の3点を確認してください。

  • 組織の休日を、Salesforceに登録しているか?
    • Apexは「3営業日以内」のような言い方を、土曜日・日曜日と、組織の設定の「休日」に登録された日を除いて数えます。祝日や年末年始の休みが「休日」に登録されていないと、Apexはその日を営業日として数えるため、期日が実際より早くなります。
    • また、本ユースケースのApexは、毎年繰り返す設定の休日を読みません。導入の前に、「休日」の設定に自社の休みが日付ごとに登録されているかを確認してください。
  • メールを商談に紐づけたときに自動で作成されるToDoを、エージェントの読み込み対象から外しているか?
    • Salesforceの設定によっては、メールを商談に紐づけると、そのメールの内容を写したToDoが自動で作成されます。このToDoも打合せメモと同じToDoなので、そのまま読むとメールとToDoから同じタスクを二重に抽出してしまいます。本ユースケースでは、ToDoの種類(メール)で見分けてエージェントの読み込み対象から外し、本ユースケースが登録したToDoも外しています。
  • エージェントの回答に、確認画面のURLを書かせない作りにしているか?
    • Agentforceは、アクションで返したURLを、AIに渡す前に(例:<URL_1>)のような別の文字に置き換えます(Einstein Trust Layer のデータマスキング機能)。AIが回答を生成するときにこの置き換えた文字の前後の記号まで写すと、URLの末尾に余分な文字が付いて確認画面が開けないことがあります。本ユースケースでは、エージェントが生成する回答にURLを載せずに、商談レコード画面の関連リスト「ToDoの候補」から確認画面を開く形にしました。

自社の商談データで試したい方へ

クロスコムでは、本ユースケースのようなAIエージェントを自社のSandboxで作り、Salesforceの設定や制約を確認しながら、その結果をAgentforceの導入・定着の支援に活かしています。たとえば今回の本ユースケースのように、以下の内容からご支援できます。

  • 既存の打合せメモやメールに、タスク(誰が・何を・いつまでに)がどれだけ書かれているかの診断
  • タスクの種類・期限の言い方の規則表・担当者の決め方の設計と、ToDoの候補・確認画面の組み立て
  • 営業担当向けのエージェントの設計と、ToDoの登録と対応状況の確認方法の定着フォロー

こうした支援だけではなく、「まず自社の打合せメモから、どれだけタスクを抽出できるかを知りたい」という段階からお手伝いできますので、お気軽にお問い合わせください。

Agentforce 導入・定着支援のページはこちら