アップセルは既存の顧客との関係が深い担当者ほど得意だと考えられがちですが、実際には同じような顧客を担当していても、出てくる提案が揃いません。アップセルとは、既に取引のある顧客へ上位の商材や追加の商材を提案する取り組みで、成否を分けるのは提案するタイミングの見極めではありません。誰に何を提案できるかの組み合わせを社内が持っているかで決まります。 ここで扱う考え方はAgentic CRMの設計にもとづくもので、特定の製品を前提にしていません。
そこで本記事では、アップセルを担当者の記憶から切り離し、誰にどの商材を提案できるのかを機械が出せる形にするまでの設計を解説します。
アップセルが担当者任せになる3つの場面
印刷資材の専門商社では、従業員312名のうち営業が37名、営業企画の担当2名という体制で事業を続けてきました。この企業は説明のための架空の設定であり、実在の企業ではありません。既存の取引先は2,800社あり、追加の提案は担当者の判断に任されています。ベテランは複数の商材を組み合わせて提案する一方、若手は既に納めている商材の追加にとどまっており、追加提案の件数には4.1倍の開きがありました。そこでここでは、この会社を例に、アップセルが担当者任せになる3つの場面を整理します。
同じ商材を扱っていても、追加の提案が届く顧客と届かない顧客に分かれています。提案が担当者ごとに違うのは能力の差ではありません。出せる提案の一覧が社内にないためです。
| 比較の観点 | タイミングを見極める場合 | 組み合わせを持つ場合 |
|---|---|---|
| 決める対象 | いつ声をかけるか | 誰に何を出せるか |
| 判断する人 | 担当者ひとり | 条件を書いた組織 |
| 担当が替わったとき | 提案の幅が変わる | そのまま出る |
| 若手が使えるか | 経験が要る | 初日から使える |
| 測る対象 | 提案した件数 | 担当者ごとのばらつき |
場面①同じ状況の顧客に違う提案が出る
1つ目は「同じ状況の顧客に違う提案が出る」場面です。契約の内容も規模も近い2社に、まったく別の商材が提案されています。
違いが出るのは、判断の材料が担当者の経験に置かれているためです。過去に似た顧客へ提案して通った経験があれば、その商材を出します。経験がなければ、思いつく範囲で選びます。どちらも間違ってはいませんが、組織としては再現できません。
この印刷資材の専門商社では、営業企画の担当が過去1年の追加提案を分類しました。契約の構成が同じ顧客群のなかで、提案された商材は7種類に分かれています。うち3種類は特定の営業しか提案していませんでした。
同じ契約構成の顧客に、何が提案されたかを並べてみましょう。並べると、経験の差がそのまま出ています。
場面②担当が替わると提案の幅が変わる
2つ目に挙げるのは、担当が替わると提案の幅が変わる場面です。引き継いだ後任は、前任が出していた商材を知りません。
知らないまま引き継ぐと、提案の範囲が後任の経験まで縮みます。顧客から見れば、担当が替わった途端に提案が減ったことになります。契約の内容は変わっていないため、顧客側は理由が分かりません。部門をまたいで数字が合わない構造はRevOpsの記事でも整理しています。
先ほどの会社では、担当の変更が年間で40件ほどありました。営業企画の担当が変更の前後6か月を比べたところ、追加提案の件数が半分以下に落ちた顧客が11社あります。引き継ぎの資料には、提案できる商材の一覧が入っていませんでした。
担当が替わった顧客の提案件数を、前後で比べましょう。半減した取引先が数社でも出るなら、引き継ぎの資料に「この顧客へ出せる商材」の欄を足すところから直せます。
場面③提案しないまま更新の時期が過ぎる
3つ目は「提案しないまま更新の時期が過ぎる」場面です。声をかける機会があったのに、誰も気づかないまま1年が過ぎます。
気づけないのは、提案の機会を知らせる仕組みがないためです。営業は目の前の案件に時間を使っており、既存の顧客を見直す時間は取れません。その見直しをしたところで、何を出せるかが手元にないため、確認する動機も生まれません。
この会社では、年間の追加提案が月に21件でした。取引先2,800社に対する割合を考えると、1社あたりおよそ11年に1度の計算になります。営業企画の担当は、この頻度を課題として扱い始めています。
取引先の数と、追加提案の件数を並べてみましょう。割合で見ると、機会の大きさが分かります。
時期で決まる?アップセルが担当者任せになる理由3つ
ここまで挙げた3つの場面は、いずれもアップセルの見直しに着手する動機になります。多くの解説が勧めるのは、利用の状況を点数化して提案のタイミングを見極める方法です。ところが点数を見られるようになっても、提案の件数は増えません。そこでここでは、アップセルをタイミングの見極めで解けない3つの理由を整理します。
解けないのは点数の精度によるものにはなりません。タイミングを見極めても、出せる提案が担当者の頭の中にあるなら何も出てきません。
理由①出せる提案の一覧が社内にないから
1つ目は「出せる提案の一覧が社内にないから」です。どの顧客に何を提案できるのかを、まとめた資料が存在しません。
存在しない状態で点数だけを見せても、営業は次の行動を決められません。「この顧客は提案の好機です」と表示されても、何を出せばよいのかは自分で考えることになり、考える時間がなければ表示は無視されます。場面①で7種類に分かれていた提案は、この状態から生まれています。
この印刷資材の専門商社でも、商材のカタログは整備されていました。ところがカタログは商材の側から並んでおり、どの顧客に向くかは書かれていません。営業企画の担当は、この向きの違いに着目しています。
商材の一覧を、顧客の条件の側から並べ直してみましょう。並べ直すと、足りない情報が見えます。
理由②商材ごとの条件を書けていないから
2つ目に挙げるのは、商材ごとの条件を書けていないからです。その商材がどういう顧客に向くのかが、言葉になっていません。
言葉になっていないと、機械に渡せません。ベテランは「この規模でこの業種なら通る」と判断していますが、その判断の中身は本人にも説明が難しいものです。説明できない判断は、点数の仕組みに組み込めません。組み込めなければ、候補は出てきません。
先ほどの会社では、営業企画の担当が上位の営業5名に聞き取りを行いました。「どういう顧客にこの商材を出すか」を1商材ずつ聞く形です。聞き取りには延べ8時間かかりましたが、条件は書き出せました。
聞き取りでは、条件を書けた商材と書けなかった商材を分けて残しましょう。書けなかった側が多いほど、点数の仕組みに載せられる商材は限られます。
理由③提案しなかった記録が残らないから
3つ目は「提案しなかった記録が残らないから」です。候補が出ても提案しなかった場合、その判断が記録されません。
その記録がないと、候補の出し方が正しいのかを確かめられません。提案されなかった理由が、条件のずれなのか、営業の時間不足なのかを区別できないためです。区別できなければ、条件を直すべきかどうかも決められません。
この会社では、着手の前に候補の出し方だけを試した時期がありました。候補は出るものの、提案されたかどうかを追っていません。営業企画の担当は、記録の残し方を先に決める判断へ切り替えています。
提案しなかった判断は、選択式の欄を作って残しましょう。出した候補と同じくらい、出さなかった理由が材料になります。この理由の分布を見てから、条件を見直すかどうかを決めることになります。
アップセルの候補を出す4つの基準
前章の3つの理由は、いずれも「出せる提案が言葉になっていない」という一点に行き着きます。言葉にするには、商材を1つずつ点検します。全商材を一度に扱おうとすると、条件を書けない商材に引きずられて着手できません。点検の順番を決める材料になるのが、どの商材から手を付けるかを判定する基準です。そこでここでは、アップセルの候補を出す4つの基準を整理します。
対象は商材の売上規模では決まりません。候補を出す条件は、契約の状態から書けるものに絞ります。
基準①契約の状態から条件を書けるか
1つ目は「契約の状態から条件を書けるか」という基準です。いま契約している内容だけを見て、その商材が向くかを判定できるかを確かめます。
契約の状態から書ける条件を選ぶのは、判定に人の解釈が入らないためです。「環境への意識が高い顧客」では判定できませんが、「特定の商材を12か月以上継続していて、月間の使用量が一定を超えている」であれば機械で読めます。顧客ごとに届け方を変える実装は個別化の記事で扱っています。
この印刷資材の専門商社では、環境対応インキの条件を3つに整理しました。従来品を18か月以上継続していること、月間の使用量が一定量を超えていること、直近1年で単価の見直しがないことの3点です。すべて契約の記録から判定できます。
条件は、営業が中身を見なくても判定できる文になっているかで確かめましょう。書けないなら、まだ機械に渡せません。
基準②提案する商材を1つに決められるか
2つ目に挙げるのは、提案する商材を1つに決められるかという基準です。条件に該当したときに出す商材が、迷いなく決まるかを確かめます。
複数の候補が出る条件では、どれを出すかを営業に選ばせてしまい、選ぶ判断が入れば、また担当者ごとの差が生まれます。条件と商材が1対1で結びつく形にすれば、候補はそのまま提案の内容になり、組み合わせを増やすのは運用に乗った後で足ります。
先ほどの会社では、環境対応インキだけを対象にしました。条件に該当した顧客には、この1商材を提案します。営業企画の担当は、2商材目を足すのは3か月後という計画を立てました。
迷いが出る条件は、該当した瞬間に出す商材が1つに決まるまで書き直しましょう。複数を出すと、選ぶ判断が営業に戻ります。
基準③繰り返し起きている状況か
3つ目は「繰り返し起きている状況か」という基準です。条件に該当する顧客が、月に一定数いるかを確かめます。
件数が要るのは、効果を数えるためです。月に数件しか該当しない条件では、提案が通ったかどうかの判断に1年以上かかります。件数の多い条件から始めれば四半期で結果が読めますが、売上規模の大きい商材ほど該当は少なくなります。
この会社では、環境対応インキの条件に該当する顧客が月に64社ありました。2,800社のうち約2%です。営業企画の担当は、この件数の多さを選定の理由に挙げています。
候補が月に何件出るかを、着手を決める前に試算しましょう。月に数件で止まるなら、その商材は後回しにして、該当の多い商材から順に並べ替えます。
基準④提案した効果を数えられるか
4つ目は「提案した効果を数えられるか」という基準です。候補を出した後に何が変わったかを、後から測れる形を選びます。
測れる形にする意味は、続ける根拠を最初から組み込むことにあります。理由③で止まった状態は、この設計を後回しにしたことから生まれたものです。候補の件数、提案された件数、受注に至った件数の3つが取れれば、四半期で判断できます。
この印刷資材の専門商社では、候補を出した顧客に営業が提案したかどうかを記録しました。提案した割合は55%です。さらに提案した顧客のうち受注に至った割合まで追える設計にしています。
何をもって効いたと判断するかを、着手の前に1文で書きましょう。書けない商材は、対象から外します。
アップセルの材料4種類|提案を出せるデータ
前章の4つの基準で商材を選ぶとき、条件を書く材料が何かを知っておくと迷いません。契約の記録だけで足りる場合もあれば、別の記録が要る場合もあります。先に分けておきたいのは、手元にある記録で書ける条件と、集め直さないと書けない条件の2つです。そこでここでは、アップセルの材料になる4種類のデータを整理します。
材料は多いほどよいというものにはなりません。4種類の材料のうち、最初に使うのは契約している商材の組み合わせです。
材料①契約している商材の組み合わせ
1つ目は「契約している商材の組み合わせ」です。いま何を納めているかの一覧が、そのまま条件になります。
この材料が最も扱いやすいのは、どの会社にも必ず記録が残っているためです。受注の記録さえあれば集計だけで組み合わせを取り出せるため、新しくデータを集める必要がなく、着手までの期間が短くなります。基準①で契約の状態から書ける条件を選んだ理由が、ここに対応します。
先ほどの印刷資材の専門商社では、従来品のインキを継続している顧客を抽出しました。継続の月数は受注の記録から数え、18か月以上を条件に使っています。この抽出の作業は営業企画の担当が半日で終えており、追加のデータ収集は発生していません。
まず契約の記録から始めましょう。新しくデータを集める話は、その後で足ります。
材料②利用の量の推移
2つ目に挙げるのは、利用の量の推移です。発注量が増えているか減っているかを条件に加えます。
推移を加えると条件の精度が上がり、同じ商材を継続していても、量が伸びている顧客と減っている顧客では提案の通りやすさが違います。量が伸びている顧客は事業が拡大している場合が多く、上位の商材へ移る余地も大きいはずです。ただし推移を扱うには、一定期間の記録が連続して残っている必要があります。
この会社では、直近12か月の発注量を月ごとに集計しました。従来品を18か月以上継続していて、なおかつ量が減っていない顧客に絞ったところ、候補は月64社に落ち着いています。絞る前は月に130社を超えていました。
推移で絞ると、候補は半分ほどになります。件数が多すぎるときは、この材料を足します。
材料③問い合わせで挙がった要望
3つ目は「問い合わせで挙がった要望」です。顧客から出た要望を、提案の条件に使います。
要望が手がかりになるのは、相手の関心が言葉として残っているためです。環境への対応や、作業の効率に関する質問が出ていれば、そこが提案を切り出す起点になります。買い手が何を検討しているかは購買体験の記事でも扱っています。
この印刷資材の専門商社では、問い合わせの記録が自由記述で残っていました。分類されていないため、機械で条件に使うことはできません。営業企画の担当は、この材料を当面の対象から外しています。
問い合わせの記録に分類の項目があるかを、着手の前に確かめましょう。分類がないなら、選択肢を用意して入力の形を変えるところから始まります。
材料④同じ業種の他社の契約の形
4つ目は「同じ業種の他社の契約の形」です。似た顧客が何を契約しているかを参照します。
この材料は、条件を書くときの発想の材料になります。同じ業種で規模の近い顧客が契約している商材のうち、対象の顧客が契約していないものが候補です。ただし業種の分類が粗いと、まったく違う用途の顧客が混ざります。
先ほどの会社では、業種の分類が大分類の6区分しかありませんでした。同じ区分のなかに用途の違う顧客が混在しており、そのままでは使えません。分類を細かくする作業は、次の段階に置いています。
業種の分類の粒度を、候補を出す前に確かめましょう。大分類のままなら、この材料は使わずに、契約している商材の組み合わせだけで条件を書くほうが早くなります。
どこまで任せる?アップセル提案の線引き3つ
前章で材料が整理できました。次に決めるのは、候補を出す判断をどこまで機械に渡すかです。全件を人が見る形では、2,800社の規模に追いつきません。ここから先はAgentic CRMの設計にもとづく、任せる範囲の話になります。そこでここでは、アップセルの提案をAIに任せる3つの線引きを整理します。
任せる範囲は判定の精度だけでは決まりません。自動で候補を出してよいのは、営業がその場で根拠を確かめられる範囲に限ります。
線引き①自動で候補を出してよい範囲
1つ目は「自動で候補を出してよい範囲」です。人を通さずに、営業へ直接候補を届けてよい条件を決めます。
自動で出してよいのは、条件が契約の記録だけで判定できて、営業が根拠を開ける場合です。環境対応インキであれば、従来品の継続月数と発注量の推移を添えられます。営業は数字を見て、提案するかどうかを自分で判断できます。理由①で挙げた「次の行動を決められない」状態にはなりません。
この印刷資材の専門商社では、3つの条件をすべて満たした顧客を自動の対象にしました。候補には継続月数と直近12か月の発注量の推移を添えています。運用の6か月で、営業が提案した割合は55%でした。
自動の対象は、最初は1商材に絞りましょう。広げるのは、提案された割合を見てからで足ります。
線引き②人が確かめてから出す範囲
2つ目に挙げるのは、人が確かめてから出す範囲です。条件の一部だけを満たす顧客が、この範囲に入ります。
確かめる人は、その顧客の状況を知っている担当が向きます。継続月数は足りているが発注量が減っている顧客は、事業の縮小かもしれませんし、一時的な調整かもしれません。営業企画が候補を出し、担当の営業が確認してから提案する形にすると、判定の誤りを避けられます。
先ほどの会社では、条件を2つ満たした顧客が月に38社ありました。営業企画の担当が営業へ確認を回し、そのうち9社が提案の対象になっています。残る29社は状況が合わないという回答でした。
一部だけ満たす顧客は、確認したい点を1つに絞って担当の営業へ回しましょう。自動で出すと、外れが増えます。
線引き③候補として記録だけ残す範囲
3つ目は「候補として記録だけ残す範囲」です。条件を満たさない顧客も、近い状態であれば記録します。
残す選択肢を用意する意味は、次の四半期の材料にすることにあります。継続月数が15か月の顧客は、3か月後に条件を満たします。その時点で候補に上がる形にしておけば、機会を逃しません。記録がなければ、毎回ゼロから抽出することになります。
この会社では、条件に近い顧客を記録の範囲に置きました。営業企画の担当が四半期ごとに見返したところ、そのうち22社が翌四半期に条件を満たしています。抽出の作業は自動で回っており、手間は増えていません。
条件まで何か月足りないかを添えて記録しておきましょう。残り3か月を切った顧客だけを見れば、翌四半期に声をかける先が先に分かります。
アップセルを1商材から始める4つのステップ
ここまでで、条件の作り方と任せる範囲がそろいました。あとは着手の順番です。設計を考える営業企画と、実際に候補を受け取る営業では、動き出す時期が同じになりません。先に手を付ける工程を決めておかないと、条件を書く作業と届け方を決める作業が同時に走り、どちらも中途半端になります。そこでここでは、アップセルを1商材から始める4つのステップを整理します。
4つのステップのうち、後戻りが起きるのは最初の1つです。最初に決めるのは条件の書き方ではありません。提案する商材を1つに絞ることです。
ステップ①提案する商材を1つ選ぶ
1つ目のステップは「提案する商材を1つ選ぶ」ことです。基準①から④に照らして、最初の1商材を確定します。
1つに絞るのは、複数を並行させると効果の判定ができなくなるためです。2商材を同時に対象にすると、提案の件数が増えたときにどちらが効いたのかが読めません。判定できなければ、3商材目へ広げる根拠も作れません。
この印刷資材の専門商社が選んだのは、環境対応インキでした。条件を契約の記録だけで書けて、該当が月64社あり、提案の結果を受注で測れます。4つの基準をすべて満たした商材は、この1つだけでした。
4つの基準に照らして、候補を1つに絞りましょう。すべてを満たす商材は、思ったより少なくなります。選べなかった商材は、どの基準で外れたのかを1行だけ残しておきます。
ステップ②その商材が刺さる条件を書く
2つ目のステップは、その商材が刺さる条件を書くことです。上位の営業への聞き取りから、条件を言葉にします。
聞き取りから始めるのは、条件が実務の中にしかないためです。カタログには商材の仕様が書かれていますが、どういう顧客に向くかは書かれていません。理由②で挙げたとおり、この情報は上位の営業の判断のなかにあります。
先ほどの会社では、営業企画の担当が上位の営業5名に延べ8時間の聞き取りを行いました。「どういう顧客にこの商材を出すか」を具体的な案件名とともに聞く形です。抽象的に聞くと答えが出ないため、実際の案件から遡る進め方にしています。
条件は、実際に受注した案件を並べてから聞きましょう。案件の名前が出てこない商材は、条件を書ける段階に来ていません。
ステップ③候補の出し方を決める
3つ目のステップは「候補の出し方を決める」ことです。どの頻度で、誰に、何を添えて届けるかを定めます。
出し方を決めておく必要があるのは、届き方によって使われるかどうかが変わるためです。候補の一覧を月次で渡すのか、条件を満たした時点で担当者へ届けるのかで、営業の動き方は変わります。件数が多い場合は、まとめて渡すほうが扱いやすくなります。
この会社では、月初に担当者ごとの候補一覧を届ける形にしました。1人あたり2社ほどで、営業からは扱いやすいという反応が出ています。候補には継続月数と発注量の推移を添えました。
候補の届け方は、1人あたり何件になるかを試算してから決めましょう。多いときはまとめ、少ないときは都度が向きます。届けた一覧を開いた人数まで見ておくと、形を変えるかどうかの判断もできます。
ステップ④提案した記録を残して広げる
4つ目のステップは、提案した記録を残して広げることです。候補と、提案の有無と、その結果を紐づけます。
記録を最初から組み込むのは、理由③で挙げた「確かめられない」状態を避けるためです。候補の件数だけでは、条件が合っていたのかが分かりません。提案された割合と受注に至った割合を並べて見れば、次の商材へ広げてよいかの判断ができます。判断を機械へ移す考え方はエージェンティックAIの記事でも整理しています。
この印刷資材の専門商社では、着手から7週間で運用に入りました。営業企画2名で、要した工数は計52時間です。運用の6か月で、追加提案の実施件数は月21件から月56件へ変わりました。
記録を残す設計を、着手と同時に作りましょう。後から足すと、最初の数か月が空白になります。
以上が、アップセルを1商材から始める4つのステップでした。
アップセルの自動提案でつまずく3つの落とし穴
前章の4つのステップは、順番どおりに進めば運用まで届きます。ところが途中で元の形へ戻ってしまう会社があり、戻り方には共通した型があります。先に知っておけば避けられるものばかりです。どれも設計の段階では見えず、運用が始まってから表に出てきます。そこでここでは、アップセルの自動提案でつまずく3つの落とし穴を整理します。
つまずくのは条件の作り込みの甘さによるものにはなりません。候補の件数が増えても、提案された割合が上がらなければ売上は動きません。
落とし穴①全商材を一度に対象にする
1つ目は「全商材を一度に対象にする」ことです。せっかく仕組みを作るのだからと、扱う商材をまとめて登録してしまいます。
一度に扱うと、条件を書けない商材が混ざります。条件が曖昧な商材からは当てはまらない候補が出るため、営業は候補の一覧を丸ごと疑うようになります。しかも複数の商材が同時に動くため、どの条件が原因で外れたのかを切り分けられません。
先ほどの印刷資材の専門商社でも、当初は主力の12商材を対象にする案がありました。営業企画の担当が条件を書けるか点検したところ、書けたのは4商材だけです。1商材に絞る判断へ切り替えています。
1商材で運用に乗ってから、次を足しましょう。同時に動かすと、原因が追えなくなります。
落とし穴②候補の件数を成果とみなす
2つ目に挙げるのは、候補の件数を成果とみなすことです。抽出できた件数を、仕組みが効いた証拠として報告してしまいます。
件数を成果に置くと、条件を緩める方向にしか動けません。ところが候補が増えるほど、営業が確認に使う時間も増えます。提案されない候補は、営業の時間を削っただけで終わります。見るべきは、出した件数より提案された割合です。
この会社では、報告の対象を候補の件数から提案された割合へ変えました。運用の6か月で55%です。件数を追っていた期間には見えなかった数字で、営業企画の担当はこれを経営会議での報告に使っています。
報告の資料では、候補の件数の右に提案された割合を必ず並べましょう。判断の向きが変わります。割合が下がったまま件数だけが伸びている月は、条件を緩めすぎた目安として扱えます。
落とし穴③提案しない判断を記録しない
3つ目は「提案しない判断を記録しない」ことです。候補が出ても提案しなかった理由を、残さないまま運用します。
記録しないと、条件を直す材料が集まりません。提案されなかった理由が条件のずれなのか、営業の時間不足なのかが区別できないためです。導入したが使われない状態の立て直しで、定着まで伴走してほしい場合にも、この記録があるかどうかが分かれ目になります。
この印刷資材の専門商社では、候補一覧に「提案した/提案しない」を選ぶ欄を置きました。提案しない場合は理由を3択から選ぶ形で、入力の手間は数秒です。営業企画の担当は、この記録を条件の見直しに使っています。
提案しない判断も、その月のうちに記録しましょう。理由の3択で足ります。あとからまとめて入力すると、選んだときの状況が思い出せなくなります。
効いている?アップセルを測る4指標
ここまでで、設計と着手の順番、避けるべき形がそろいました。次に必要なのは、効いているかどうかを確かめる方法です。候補の件数だけを見ていると、落とし穴②と同じ状態になります。指標を4つ並べて初めて、数字が動かないときにどこを疑えばよいかが決まるはずです。そこでここでは、アップセルが効いたかを測る4つの指標を整理します。
4つの指標は、どれか1つだけでは判断の材料になりません。見るべきは候補の件数より、担当者による提案件数のばらつきです。
指標①候補に営業が提案した割合
1つ目は「候補に営業が提案した割合」です。届いた候補のうち、実際に提案へつながった件数を数えます。
この割合は、条件が適切かをそのまま表す数字です。割合が低いときは、条件が緩すぎて提案する必要のない顧客まで含まれています。落とし穴②で報告の対象をここへ変えた理由が、これにあたります。件数を増やしても、この割合が下がれば意味がありません。
この会社では、月64件に対して営業が提案した割合が55%でした。提案しなかった29件の理由を営業企画の担当が確認したところ、直近で別の商談が進んでいた顧客が大半です。条件を調整する材料になりました。
提案された割合を毎月見ましょう。下がったときは、条件の側を疑います。月をまたいで比べるときは、候補の件数が同じ水準かどうかも一緒に見ます。
指標②提案が受注につながった割合
2つ目に挙げるのは、提案が受注につながった割合です。提案した顧客のうち、実際に発注に至った件数を数えます。
この指標は、条件の精度を確かめる材料です。提案の割合が高くても受注につながらない場合、条件は当たっているが提案の内容が合っていないことになります。パイプラインの側の見方はKPI設計の記事で扱っています。
先ほどの印刷資材の専門商社では、提案した顧客のうち19%が受注に至りました。従来の追加提案の受注率と比べて高く、営業企画の担当はこの差を条件が効いた証拠として報告しています。
受注に至った割合まで追いましょう。提案の件数で止めると、条件の良し悪しが分かりません。商談の期間をまたぐため、最初の四半期は数字が出そろわないことも見込んでおきます。
指標③追加提案の実施件数
3つ目は「追加提案の実施件数」です。既存の顧客への提案が、全体として何件行われたかを数えます。
全体の件数を見るのは、仕組みの外で起きている提案も含めて把握するためです。候補から生まれた提案だけを見ていると、営業が自分の判断で行った提案が視界から外れます。場面③で挙げた「機会が過ぎる」状態が解けたかどうかは、全体の件数に表れます。
この会社では、月21件から月56件へ変わりました。うち候補から生まれたのが35件で、残る21件は従来どおり営業の判断によるものです。従来の件数は減っていません。
全体の件数は、候補から生まれた分と営業が自分で見つけた分に割って見ましょう。従来の提案が減っていないかを確かめます。候補ぶんだけが増えて従来の21件が減っているなら、仕組みは提案を置き換えただけになります。
指標④担当者による件数のばらつき
4つ目は「担当者による件数のばらつき」です。営業ごとの追加提案の件数が、どれだけ揃ってきたかを見ます。
ばらつきを見る理由は、この取り組みの目的が組織全体の底上げにあるためです。全体の件数だけを見ていると、もともと提案していた営業が増やしただけの変化と、提案していなかった営業が動き始めた変化を区別できません。場面①で挙げた4.1倍の差が縮んだかどうかが、答えになります。
この印刷資材の専門商社では、上位群と下位群の件数の差が4.1倍から1.9倍へ縮みました。上位群の件数は減っていません。下位群が増えた結果として、差が縮んでいます。
上位と下位に分けて見ましょう。全体の平均では、底上げが起きたのかが分かりません。
アップセルを止めるべき3つの条件
ここまで、候補を出す設計を扱ってきました。では出さないほうがよい顧客をどう扱うかが、最後に決めることになります。条件に該当していても、提案すべきでない状態の顧客がいるためです。外す条件を先に書いておかないと、営業は届いた候補を一件ずつ自分で選り分けることになり、やがて候補一覧を開かなくなります。そこでここでは、アップセルを止めるべき3つの条件を整理します。
止める判断は営業の裁量では決まりません。支払いが滞っている顧客は、候補から機械的に外します。
条件①支払いが滞っている顧客
1つ目の条件は「支払いが滞っている顧客」です。入金の遅れが続いている取引先を、候補から外します。
外すのは、追加の提案が信頼を損なうためです。支払いの相談をしている最中に上位の商材を勧められれば、相手は自社の状況を見ていないと受け取ります。しかも与信の面でも、取引額を増やす判断は慎重にすべき場面です。
この会社では、入金の遅延が2回以上ある顧客を候補から自動で外しました。判定は経理の記録から機械的に行っており、営業が個別に判断する必要はありません。運用の6か月で、該当したのは17社でした。
支払いの状態を、候補の条件に必ず組み込みましょう。営業の記憶に頼ると、抜けます。外した顧客は、入金が戻った翌月に自動で候補へ返る形にしておきます。
条件②直近で不具合が起きた顧客
2つ目に挙げるのは、直近で不具合が起きた顧客です。納品した商材に問題があった取引先を、一定期間は外します。
外す理由は、対応が終わるまで提案の場が成立しないためです。相手にとっては問題の解決が先であり、その最中に別の商材を勧められても検討する余地がありません。対応が完了してから一定の期間を置いて、候補に戻す形が現実的です。
先ほどの印刷資材の専門商社では、品質に関する申し出があった顧客を90日間外す設定にしました。期間の根拠は、過去の対応にかかった日数の中央値です。営業企画の担当が記録から算出しています。
外す期間を、過去の対応日数から決めましょう。感覚で決めると、根拠を説明できません。90日を過ぎても対応が続いている顧客は、完了の登録がされるまで外したままにします。
条件③解約の意思が出ている顧客
3つ目は「解約の意思が出ている顧客」です。この状態の顧客をカスタマーサクセスから営業へ戻す判断は、CSからの引き戻しで扱っています。取引の縮小や終了が話題に出ている取引先を外します。
この判定は、機械では難しくなります。解約の意思は会話のなかで示されることが多く、記録として残っていないためです。ソリューション営業に特化した支援がほしい場合は、この種の判断をどう扱うかが相談の中身になります。止まった案件の扱いはパイプラインの停滞の記事でも扱っています。
この会社では、営業が候補一覧で「提案しない」を選ぶ理由の3択に、この項目を入れました。選ばれた顧客は6か月間候補から外れます。機械で判定できない部分を、営業の1操作で補う形です。
機械で判定できない条件は、営業が1操作で外せる選択肢として並べておきましょう。判断は人に残します。
アップセルの設計に外部支援を使う4つの判断軸
ここまで挙げてきた設計は、営業企画の担当が2名いれば自社で進められる範囲です。とはいえ、商材の選び方や条件の粒度で迷う場面は出てきます。外部の支援を検討するなら、何を基準に選ぶかを先に整理しておくほうが判断は速いはずです。そこでここでは、アップセルの設計に外部支援を使う4つの判断軸を整理します。
どこまでを自社でやるかを決めてから探すと、比べる相手が絞れます。支援を選ぶ基準は実績の数ではありません。どの商材から始めるかを一緒に決められるかどうかです。
判断軸①どの商材から始めるかを決められるか
1つ目の判断軸は「どの商材から始めるかを決められるか」です。対象を絞る段階から関わってもらえるかを確かめます。
この軸を最初に置くのは、抽出の仕組みを作る作業より、どの商材を選ぶかの判断のほうが難しいためです。基準①から④に照らして候補を1つに絞る作業を一緒にやってもらえるかどうかで、その後の成果が変わります。抽出の実装から入る提案は、この段階を飛ばしています。
支援を探す会社の型は、大きく3つに分かれます。データ分析の実装を主とする総合系、特定のツールの導入を主とする特化系、業務の設計から入る伴走系です。商材の選定から一緒に決められるのは、3つ目の型になります。
最初の面談で、商材の選び方の話が出るかを見ましょう。出なければ、絞る作業は自社に残ります。
判断軸②業務設計から入ってくれるか
2つ目に挙げるのは、業務設計から入ってくれるかという軸です。ツール設定ではなく業務設計から入ってほしい場合は、この点を最初に確かめます。
確かめる意味は、アップセルの設計が業務側の定義に依存しているためです。どの顧客にどの商材が向くかは、自社の商材と取引の実態から決まります。抽出の設定はその後の作業であり、順番が逆になると、候補は出るのに提案されない状態になります。
先ほどの会社が最初に相談した先は、分析基盤の構築を提案してきました。どの商材を対象にするかは自社で決める前提だったため、営業企画の担当は判断を保留しています。結果として、条件の整理は自社で行いました。
業務の話から始まるかを見ましょう。設定の話から始まる相手は、決める作業を自社に残します。
判断軸③小さく始める形を示せるか
3つ目は「小さく始める形を示せるか」という軸です。小さく始めたい場合は、1商材から動かすスモールスタートの形を提案できるかを確かめます。
小さく始める形が示せる相手は、着手の順番を理解しています。全商材を対象にする提案は、落とし穴①と同じ形になりがちです。中堅・中小企業では営業企画に専任を置けないことが多く、1商材で成果を確かめてから広げる進め方のほうが現実的になります。
この印刷資材の専門商社は、営業企画2名が52時間を使って自社で進めました。1商材に絞ったため、7週間で運用に入っています。12商材を最初から設計していれば、この期間には収まりませんでした。
1つ目に何をやるかを聞いてみましょう。答えが全体の設計から始まる場合、期間は延びます。
判断軸④設計の確認だけを頼めるか
4つ目は「設計の確認だけを頼めるか」という軸です。自社で構築するので設計レビュー・アドバイザリーだけ頼みたい場合に、その形で受けてもらえるかを確かめます。
この形が成立するのは、自社に設計を進められる担当がいる場合です。条件の書き方や、止めるべき顧客の外し方を第三者に見てもらうだけでも、判断の速さは変わります。構築を一式で請け負う前提の相手には、この形が難しいことがあります。
当社では、Agentic CRMの設計支援として、こうした確認だけを引き受ける形にも対応しています。最初の1商材だけを一緒に決めて、2商材目からは自社で進めるという分け方も選べます。
どこまでを頼むかを、相談の前に決めておきましょう。決めておけば、提案の内容を比べられます。
【一問一答】アップセルに関するよくある質問
ここまで、アップセルの候補を出す設計から、外部支援の選び方までを整理してきました。実際に着手する段階では、細かい判断で迷う場面が出てきます。とくに多いのは、どこから手を付けるか、どこまで機械に任せてよいか、効いたかどうかをいつ判断するかの3つです。いずれも、最初の1商材ぶんの条件を書き出す作業に立ち返れば、答えはおのずと決まります。そこでここでは、アップセルに関して寄せられることの多い質問に、順に答えていきます。
質問①アップセルはどこから始めますか?
上位の営業に「どういう顧客にこの商材を出すか」を聞き取るところから始めます。抽象的に聞くと答えが出ないため、実際の案件から遡って聞いてください。この記事で例に挙げた印刷資材の専門商社では、上位の営業5名への聞き取りに延べ8時間かかっています。聞き取った条件のうち、契約の記録だけで判定できて、該当が月に一定数あり、効果を数えられる商材を1つだけ選びます。
質問②アップセルの提案はAIに任せられますか?
条件を満たす顧客の抽出と、候補の提示までは任せられます。ただし候補には継続月数や発注量の推移といった根拠を必ず添えてください。顧客名の一覧だけを返す形にすると、営業は提案するかどうかを判断できません。この会社では入金の遅延が2回以上ある顧客を自動で外しており、運用の6か月で17社が該当しました。
質問③アップセルの効果はどう測りますか?
候補に営業が提案した割合、提案が受注につながった割合、追加提案の実施件数、担当者による件数のばらつきの4つで測ります。この会社の運用6か月では、月64件の候補に対して提案した割合が55%、そのうち19%が受注に至り、実施件数は月21件から月56件へ、担当者間の差は4.1倍から1.9倍へ動きました。候補の件数そのものは成果になりません。
質問④アップセルの条件は誰が決めますか?
上位の営業への聞き取りをもとに、営業企画が書き出す形が現実的です。この会社も営業企画2名が担い、着手から運用まで計52時間を使っています。営業だけで決めると条件が言葉にならず、企画だけで決めると実務と合いません。書き出した条件は、聞き取りに協力した営業へ戻して確認してください。
質問⑤アップセルはどのくらいで効きますか?
1商材に絞った場合、運用に入るまでが2か月ほどです。この会社は着手から7週間で運用に入りました。提案された割合は運用の開始直後から読めますが、受注につながった割合は商談の期間を1回またぐまで分かりません。最初の四半期は、条件を変えずに数字を集める期間と考えてください。
アップセルは、見極めの精度より組み合わせを持てるかで決まる
ここまで、アップセルが担当者任せになる場面から、タイミングの見極めで解けない理由、候補を出す4つの基準、4種類の材料、AIに任せる3つの線引き、止めるべき3つの条件までを見てきました。共通しているのは、いつ声をかけるかという話から始めていないという点です。
利用の状況を点数化して好機を知らせる仕組みを作ると、通知は届くようになります。ところが何を提案できるかが担当者の記憶の中にあるままなら、通知を見た営業は自分で考えることになり、考える時間がなければ通知は無視されます。先に決めるのは、提案する商材を1つに絞って、その商材が刺さる条件を言葉にすることです。条件が1つ書ければ、候補の出し方も、任せてよい範囲も、効いたかどうかの測り方も順に決まっていきます。
印刷資材の専門商社の例では、取引先2,800社を変えないまま、1商材ぶんの条件を書き出しました。候補は月64件、営業が提案した割合は55%、そのうち19%が受注に至っています。追加提案の実施件数は月21件から月56件へ増え、上位群と下位群の件数の差は4.1倍から1.9倍へ縮みました。上位群の件数は減っていません。支払いが滞っている顧客と対応中の顧客は、いまも機械的に候補から外れています。
当社では、Agentic CRMの設計支援として、商材を選ぶところから運用に乗せるまでを扱っています。上位の営業への聞き取りから入り、条件を契約の記録で判定できる形に落とすところまでを一緒に進めます。まずは、いま自社のどの商材なら条件を書けるのかを一緒に確かめるところから始めてみませんか。

